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道Nihongo Path

論説 — 「地方創生」が見落としているもの

Time limit 8 min

By Nihongo PathUpdated

Strategy notes: read these before the passage

  • Argumentative essays enumerate reasons (第一に, 第二に, 第三に). Each numbered reason is likely to become a question; summarize each in five words.
  • Watch for 結果 vs 目的 distinctions. The writer's reframing (人口は結果であって目的ではない) is the conceptual center.
  • The last paragraph often redefines a key term (創生). The redefinition IS the conclusion.

Passage

地方の人口減少に歯止(はど)めをかけようと、各自治体(じちたい)は移住者(いじゅうしゃ)の誘致(ゆうち)に力を注いでいる。住宅の無償提供、起業支援金、子育て世帯への手厚い給付。自治体のウェブサイトを開けば、そうした施策(しさく)が競うように並ぶ。だが、私はこの競争の構図(こうず)そのものに疑問を抱いている。

第一に、移住者の獲得は本質的にゼロサムである。ある町が人を増やせば、別の町が人を失う。国全体の人口が減る中で、自治体同士が奪い合いをしても、合計は変わらない。補助金の額を競えば、財政の弱い自治体から脱落(だつらく)していくだけだ。

第二に、「呼び込む」発想は、すでにそこに住んでいる人を後回しにしがちである。移住者向けの新築住宅が建つ一方で、長年住んできた高齢者のバス路線が廃止される。新参者(しんざんしゃ)への優遇(ゆうぐう)が、古くからの住民との間に静かな断絶(だんぜつ)を生んでいる例を、私は取材の中で何度も目にした。

第三に、そもそも「人口を増やすこと」が目的になってしまっている点である。人口はあくまで結果であって、目的ではない。住んでいる人が誇(ほこ)りを持って暮らせる町であれば、人は自然と集まるし、去る人も減る。逆に、数字だけを追えば、来た人もいずれ去っていく。

では、何をすべきか。答えは地味だが、「今いる人の暮らしを良くする」ことに尽きる。学校、医療、交通、そして仕事。これらを整えることは移住者向けのパンフレットには載りにくいが、長期的には最も確実な「誘致」である。

地方創生(ちほうそうせい)という言葉は華々(はなばな)しい。しかし、創生とは新しく生み出すことだけを指すのではない。すでにあるものを損なわずに続けること。それもまた、立派な創生である。

Vocabulary in this passage

歯止めをかけるはどめをかける
to put a brake on
自治体じちたい
local government
誘致ゆうち
attracting, inviting
施策しさく
policy measure
構図こうず
structure, composition
ゼロサムぜろさむ
zero-sum
脱落するだつらくする
to drop out
後回しあとまわし
putting off, deprioritizing
新参者しんざんしゃ
newcomer
優遇ゆうぐう
preferential treatment
断絶だんぜつ
rupture, disconnect
〜に尽きるにつきる
comes down to

Questions

Ready

8:00

of 8:00

Question 1

Choose the best answer

筆者が「競争の構図そのものに疑問を抱いている」理由として挙げていないものはどれか。

Question 2

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「静かな断絶」とはどのような状況か。

Question 3

Choose the best answer

「人口はあくまで結果であって、目的ではない」という考えから、筆者はどのような施策を支持しているか。

Question 4

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最後の段落で筆者が言いたいことは何か。

Question 5

Choose the best answer

この文章の構成として最も適切なものはどれか。

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